遺伝子検査から将来かかりやすい病気やアレルギーなどが分かるようになりましたが、人だけではなく、猫や犬にも遺伝子検査から将来かかりやすい病気が分かるようになりました。
実際の動物医療においてもさまざまな場面で活用されている遺伝子検査。
今回は猫の遺伝子検査から何がわかり、どう役に立つのか?
わかる疾患の種類や、またそれにかかる費用などを調べましたのでご覧ください。
遺伝子検査でわかること
定期検診ではわからない将来の病気のリスクが、分かります。
猫種によって検査しておいた方が良い病種がありますので、愛猫の将来のために検査することをおすすめします。
わかる疾患の種類
※クリックで詳細が表示されます。
古くなった細胞を分解する場所が細胞の中にあるライソゾームというところです。したがって、ライソゾームの中には数多くの分解酵素が存在しています。この分解酵素の一つが先天的に欠損しているために起こる病気がライソゾーム病です。
猫種別によってかかりやすい疾患がある
猫種によってかかりやすい病気というのがあって、例えば「遺伝性骨軟骨異形成症」はスコティッシュフォールドに多くみられ、ムコ多糖症はシャム、オリゴ糖蓄積症はペルシャ、といったように猫種ごとに違いがあります。
猫種別「獣医師おすすめの検査項目」一覧表
獣医師がすすめる猫種別の検査項目です。
人気の猫種
猫種 | 検査項目 |
---|---|
スコティッシュ・フォールド | ・多発性嚢胞腎(PKD) ・遺伝性骨軟骨異形成症 |
アメリカン・ショートヘア | ・多発性嚢胞腎(PKD) |
マンチカン | ・多発性嚢胞腎(PKD) |
ブリティッシュ・ショートヘア | ・多発性嚢胞腎(PKD) |
ノルウェージャン・フォレスト・キャット | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
ベンガル | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
ラグドール | ・肥大型心筋症(HCM) ・多発性嚢胞腎(PKD) |
ロシアンブルー | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
メイン・クーン | ・肥大型心筋症(HCM) ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
その他の猫種(五十音順)
猫種 | 検査項目 |
---|---|
アビシニアン | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) ・進行性網膜萎縮症(PRA) |
アメリカン・カール | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
エキゾチック・ショートヘア | ・多発性嚢胞腎(PKD) |
エキゾチック・ロングヘア | ・多発性嚢胞腎(PKD) |
エジプシャン・マウ | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
オシキャット | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
オリエンタル | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
キンカロー | ・多発性嚢胞腎(PKD) |
コーニッシュ・レックス | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
コラット | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) ・GM2ガングリオシドーシス |
サイベリアン・フォレスト・キャット | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
シャム(サイアミーズ) | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) ・ムコ多糖症 ・進行性網膜萎縮症(PRA) |
シャルトリュー | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
シンガプーラ | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
スクーカム | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
スフィンクス | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
セルカーク・レックス | ・多発性嚢胞腎(PKD) |
ソマリ | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
デボン・レックス | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) ・先天性ミオパチー(筋ジストロフィー) |
トンキニーズ | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
バーマン | ・多発性嚢胞腎(PKD) |
バーミーズ | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) ・GM2ガングリオシドーシス |
バンビーノ | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
ヒマラヤン | ・多発性嚢胞腎(PKD) |
ブリティッシュ・ロングヘア | ・多発性嚢胞腎(PKD) |
ペルシャ | ・多発性嚢胞腎(PKD) ・オリゴ糖蓄積症(α-マンノシドーシス) ・進行性網膜萎縮症(PRA) |
ボンベイ | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
ミニュエット | ・多発性嚢胞腎(PKD) |
ラ・パーム | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
ラガマフィン | ・多発性嚢胞腎(PKD) |
ラムキン | ・ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症) |
遺伝子検査にかかる費用
基本的に検査費用は1項目調べるのにいくら、という料金体制のところがほとんどです。
5個も6個も調べるとなると大変費用がかかってしまいます。
ですから、”猫種別「獣医師おすすめの検査項目」一覧表“に載っている項目だけ検査しておけば多くても3項目ですので、全部調べる必要はありません。
遺伝子検査『3社』料金比較
料金比較表 | 【Orivet】 | 【Pontely】 | 【VEQTA】 |
---|---|---|---|
単検査価格 (報告書代込み) |
5,700円 | 5,000円 | 5,000円 |
検査項目追加料金 | 4,300円 | 1つ追加 4,800円 2つ追加 4,200円 |
4,500円 |
2項目検査 | 10,000円 | 9,800円 | 9,500円 |
3項目検査 | 14,300円 | 14,000円 | 14,000円 |
WEBサービス | 無 | 有 | 無 |
検査結果 | 約1か月 | 約2週間 | 約2週間 |
※表示価格はすべて税別価格です
WEBサービス
3社比較でWEBサービスがあるのが”Pontely”のみ。
他2社はメールか紙の報告書で、価格に差がないのなら”Pontely”がいいですかね。
上の画像のような検査結果証がWEBで確認できます。
(これは犬ですけどね;;)
Pontely(ポンテリー)が簡単でおすすめ
WEBサービス以外にもPontelyがおすすめなところがあって、それは注文方法が簡単で分かりやすいという点。
猫種を選択するだけで、おすすめの検査項目が表示されるので、迷うことなく注文できます。
ほかのところはね、なんかごちゃごちゃしてて分かりにくかったです。
遺伝子検査がどう役に立つのか
どう役に立つのかと聞かれたら、正直わかったところで、今すぐどうにかできるものではないと思います。ただ将来的にも日常生活の中でもネコちゃんと接するときに予め注意すればいい点がわかっていれば、異変にも早く気付くことができて対処できると、私は思います。
将来潜んでいる愛猫の疾患を事前に調べておくことで、健康に長生きしてもらいたいですね。